朝の鐘
2010年 12月 05日
薄墨を一面に流したようなうすくらい朝の空、
その薄墨がすごい速さで東山に向かっていく。ひがしの山際は真っ暗。
確か、明け方に微かに伝わってくる鐘は、あの山際のお寺の鐘にちがいない。
二日前のまだ明けきらぬ朝のことだった。
いつだったか、微かな鐘の音を聞きながら別れたのも、こんな薄暗い朝だった。
明るくオレンジに輝く朝は聞こえない鐘が薄墨の流れる朝になると、
切ない思いとともに聞こえてくる。
どこの古寺の鐘だろう。
by kaname0324h
| 2010-12-05 21:11